熊本の大地震を受けて、災害グッズや救急箱の見直しをした方も多いのではないでしょうか。突然住むところがなくなる不安、お子さんがいらっしゃるとなおさら不安ですよね。震災に被災された方々には心からお見舞い申しあげると共に、復興に尽力されている皆様には安全に留意されご活躍されることをお祈りいたします。
救急箱を見直すと、病院でもらった解熱剤や風邪薬が期限間近で眠っていることも多いです。いざという時に、台所にあるものが薬に代用できることを知っておくと心強いと思い、まとめてみました。
総合感冒薬
総合感冒薬(そうごうかんぼうやく)とは頭痛・発熱・のどの痛み・筋肉の痛み・咳・くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどといった、いわゆるかぜ症候群(普通感冒)の諸症状の緩和に効果を出すように解熱剤(解熱鎮痛剤)と鎮咳去痰薬・抗ヒスタミン剤などを複合した医薬品です。
かぜ症状全般に台所で作るお薬は、梅しょう番茶がおすすめです。
梅しょう番茶
梅干し、しょうゆ、しょうが、番茶で作る体があったまるスープです。かぜの引き始めにしょうがを多めにして飲むと経過が早いです。のどの痛み・咳・鼻水・鼻づまりには他のお手当もありますが、とりあえずかぜっぽいなと思ったら飲んでおいて間違いありません。
《効用》
疲労回復、胃腸強化、腹痛、血液浄化、冷え性、かぜ、神経痛、貧血、低血圧、下痢、頻脈、動悸に
《材料の割合(一回分)》
梅干し・・・・・・・中一個
しょうゆ・・・・・・小さじ1&1/2
しょうがのすりおろし・・・・・小さじ1
三年番茶・・・・・・150〜200ml
先日いとこに、お腹が張るので梅しょう番茶の作り方を教えて欲しいと言われたのですが、美味しいと思う分量でいいと思います。
ちなみに私は梅干し、しょうゆ、しょうがはこのくらいで作ります。ここに番茶を注ぎますが、私はよく番茶なしでお湯を注いで飲みます。悪寒でゾクゾクするときはしょうが多めにします。しょうがはチューブよりすりおろしの方が薬効が高いです。しょうがは買ったらすぐに全部すりおろして冷凍します。
《作り方&飲み方》
梅干しを湯のみ茶碗などにいれて箸でよく潰し分量のしょうが汁(またはしょうがおろし)としょうゆを加え、グラグラ煮立ってる番茶を注ぎます。熱いうちに飲みます。
解熱鎮痛剤
解熱鎮痛剤は、脳の体温調整中枢に作用して発熱を抑えたり、皮膚の血管を拡張させて放熱を促進すると共に、痛覚神経に作用して興奮を抑え、痛みを緩和する効果がある薬です。
解熱に第一大根湯
大根の下半分をすりおろしたもの、しょうゆ、しょうがのすりおろしを番茶で割ったもの。大根おろしが好きな方にはおすすめのスープです。
《効能》
解熱・発汗効果、かぜの高熱、急性腎盂腎炎、急性膀胱炎、急性中耳炎、耳鳴り、腰痛、肩こり、じんましん、アトピーのかゆみ、鼻炎、動物性たんぱく質やニコチンの解毒に
《材料》
一回分(高熱の時はこの倍量を)
大根おろし・・・・・大さじ山盛り1と1/2
しょうがおろし・・・大根おろしの1割
しょうゆ・・・・・・大さじ半分
熱い番茶・・・・・・200ml
※大根は下半分、根っこの方をすりおろして使います。からいです!
《作り方&飲み方》
大根としょうがをおろして器に合わせしょうゆを加えてから沸騰している番茶を注いであつあつを一気に飲み干します。
鎮痛に梅エキス
梅エキスとは、青い梅をすって梅の実の汁だけを煮詰めたもの。
昔から「自然の薬」だと言われ家庭の万能薬として重宝されてきたものです。
殺菌作用・整腸作用・疲労回復などの効能があります。
《効能》
インフルエンザ予防、抗アレルギー、抗ストレス、殺菌(MRSAやピロリ菌を殺菌)、胃腸の活性化、疲労回復、血圧安定、肝臓の保護・強化、血流改善、免疫細胞マクロファージの強化、がん予防、結石予防、鎮痛、痛風予防
効能の中に「鎮痛作用」があります。いつも発熱して体のあちこちが痛むときに梅エキスをひと舐めしておきます。箸の先にちょこっとの量で効果があるので、子供の風邪にも飲み物に混ぜて飲ませることができます。
胃腸薬・酔い止め
胃腸薬とは、胃および腸の疾患の治療や、症状の緩和に用いられる医薬品の総称です。乗り物酔い防止薬は、乗り物の揺れにより生じるめまいや吐き気などの症状、いわゆる乗り物酔いを抑える目的で処方される医薬品の総称。俗に酔い止めとも呼ばれます。
梅エキス
胃腸系の症状に効果てきめんの梅エキス。先日寝不足で遊びまくった時、無理が祟ったのか嘔吐してしまいましたが、梅エキスのおかげですぐにスッキリおさまりました。私は乗り物酔いしてしまう方なのですが、梅エキスをクリームケースに入れて持ち歩いています。
参考記事:旅行に薬はいらない。旅行カバンに梅肉エキスひとつ。
《効能》
インフルエンザ予防、抗アレルギー、抗ストレス、殺菌(MRSAやピロリ菌を殺菌)、胃腸の活性化、疲労回復、血圧安定、肝臓の保護・強化、血流改善、免疫細胞マクロファージの強化、がん予防、結石予防、鎮痛、痛風予防
点眼・点鼻薬
えっ!と思われるかもしれませんが、点眼・点鼻薬にはごま油がおすすめです。
ごま油の点眼・ぬり薬
《効能》
中耳炎や目のトラブルに
ごまに含まれる抗酸化物質の消炎作用を利用した手当て法です。中耳炎には綿棒などにつけて外耳道に塗ります。疲れ目などには塩番茶で洗ったあと、スポイトで一滴ずつ落としてください。
《作り方》
圧搾した純正ごま油を煙が出ない程度に熱し、和紙などで漉してビンに保存します。
アーユルヴェーダでもごま油はキュアリングといって100℃以上にならないように熱してマッサージなどに使います。私は瓶ごとヤカンに入れてグツグツと熱し、そのまま保存します。
台所においておきたいくすり食材
総合感冒薬は梅しょう番茶。
解熱剤は第一大根湯。
鎮痛剤・胃腸薬・酔い止めは梅エキス。
点鼻薬・点耳薬は圧搾した純正ごま油。
これらに使われる食材は、梅干し、しょうが、しょうゆ、番茶、大根、梅エキス、ごま油です。大根は冬場のみなので、手に入る時期はなんとなーく冷蔵庫から切らさないようにしておくといいと思います。
梅干し
梅干しの原材料は梅と塩だけのものを。塩は天然塩で漬けたものを選びましょう。天然塩というのは定義が難しいのですが、多くの自然療法家が「海の精」の塩をおすすめしています。そう考えると海の精で漬けられた梅干しがおすすめですね。
梅が苦手な人は小梅からどうぞ。海の精の塩はめっちゃ高いので、国産天然塩で漬けられた梅干しがこの値段で買えるなんて!という安さです。常備しておいてください。
しょうが
チューブ、粉末などいろいろ試しましたが生の生姜をすりおろすのが一番効く!という実感があります。しょうがを買ったらすり下ろして冷凍しておきましょう。
しょうゆ
厳選された材料で、樽で長期熟成されたものを選びましょう。
オーサワジャパンの本造りしょうゆ(1.8L)や海の精 生しぼり醤油あたりがおすすめです。
番茶(三年番茶)
番茶は三年熟成されたものを選びましょう。
三年番茶ってなんだ?という方いらっしゃいますよね。調べてみました。
緑茶の茶葉と茎を摘み取り、天日に干し、よく乾燥させ三年間熟成。その後じっくり焙煎をする事で、カフェインなどの刺激物質が抜け、まろやかな風味になります。
三年番茶は、従来の緑茶が多量に含んでいるカフェインやタンニンという成分が非常に少なく抑えられています。三年番茶は、熟成の途中でカフェインやタンニンなどの刺激物質が抜けており、胃に優しく、香ばしい香りがとても良く、寝る前などのリラックスタイムにもおすすめです。
出典 三年番茶とは
ビギナーはティーバックタイプを→ひしわ 有機熟成三年番茶
慣れたら茶葉からどうぞ→播磨園製茶 播磨園 徳用三年番茶 360g
梅エキス
梅肉エキスの材料は、青梅。材料の梅が国産で、無農薬・無化学肥料のものを選びましょう。農薬を使わずに栽培されたものは、その植物の生きるパワーが格段に違います。
常温で何年も保存可能なので、台所救急箱に常備しておいてくださいね。
ごま油
中耳炎や目のトラブルだけでなく、おなかの中のものを出したい時に下剤としても使えるごま油。太白ごま油はクセがなくどんな料理にも使えて万能油です。
まずは小瓶で買ってみて、慣れたら大瓶でどうぞ。
自分の症状に合わせて常備するものを決める
一般滴な症状に効くものを紹介してきましたが、人によって体調を崩した時に出る症状が違うと思います。咳が出やすい人、鼻水が出る人、じんましんが出る人、頭痛がする人。それぞれ症状に合わせて常備するものが違ってくると思います。頭痛でも頭頂部か側頭部かでお手当が変わってきます。
私のバイブル「からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て」はみなさんの本棚に必ず置いておいて欲しい一冊です。
以上、台所救急箱まとめでした!
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